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月が地球から遠ざかっているのはなぜ?

月が地球から遠ざかっているのはなぜ?

生まれたばかりの月は、いまよりずっと近くにありました。いまの距離の20分の1ほどだったかもしれません。そのため空では、いまの20倍ほどの大きさに見えていました。それ以来、月はずっと遠ざかり続けています。なぜでしょう?

潮汐力が地球を引きのばす

月は、地球の近い側を遠い側より強く引っぱります。そのため地球はわずかに引きのばされ、それがいちばんよくわかるのが海です。月に面した側とその反対側の2か所で、海水が盛り上がってふくらみになります。地球が自転して、このふくらみに入った場所が満潮になります。

ふくらみが月を前へ引く

地球は1日で1回自転し、月は1か月で地球を1周します。そのため、速く自転する地球が、月に近い側のふくらみを月より少し先へ引っぱっていきます。このふくらみの海水の重力が、月を進む方向へいつも少しずつ後押しします。ブランコを毎回ちょっと押してあげるようなものです。こうして月は加速し、少しずつ地球から遠ざかっていきます。

そして地球にはブレーキがかかる

ふくらみの海水は海底や海岸とこすれて、地球の自転にブレーキをかけます。地球の自転が失った分を、月の公転が受けとるのです。月が1km遠ざかるごとに、1日は約0.5秒長くなります。

どうしてわかるの?

アポロの宇宙飛行士は、月に反射鏡を置いてきました。天文台はいまもそこへレーザー光のパルスを送り、戻ってくるまでの時間(約2.6秒)から、月までの距離をミリ単位で求めています。こうして、月が1年に3.8cmずつ遠ざかっていることがわかりました。爪がのびるのと同じくらいの速さです。

皆既日食の終わり

太陽の直径は月の約400倍で、しかも約400倍遠くにあるので、空ではほぼ同じ大きさに見えます。月が遠ざかると、空での月は小さくなっていきます。約6億年後には太陽を隠しきれなくなり、皆既日食はなくなります。残るのは、いまもときどき見られる金環日食だけです。

この先どうなる?

これが何百億年も続けば、地球の自転はどんどん遅くなり、いまの月と同じように、地球もいつも同じ面を月に向けるようになります。すると月は空のいつも同じ場所に浮かんだままになり、地球の残り半分からはまったく見えなくなります。でも、実際にはそこまでいきません。数十億年後には、太陽が赤色巨星にふくらむからです。

では、月が遠ざかるのはなぜ?

地球の自転が、月の公転より速いからです。海水のふくらみが月を前へ押し、月は速くなって遠ざかります。そしてそのぶん、地球の自転にはブレーキがかかります。