マイナス×マイナスがプラスになるのはなぜ?
マイナス×マイナスがプラスになるのはなぜ?
学校では「マイナス×マイナスはプラス」と覚えます。つまり(−3) × (−2) = 6です。だれかが決めたルールで、−6にしてもよかったように見えます。でも、選ぶ自由はそれほどありません。
かけ算はジャンプ
数直線では、正の数は0の右に、負の数は左にあります。3 × 2は、2ずつのジャンプを3回することです。0から2、4、6へ。最初の数はジャンプの回数、2つめの数は1回のジャンプの長さと向きを表します。
後ろ向きのジャンプ
3 × (−2)は、−2ずつのジャンプを3回、つまり左へ進むことです。−2、−4、−6へ。正×負は負になります。かける順番は関係ないので、負×正も負です。(−3) × 2 = −6。
続いていく数の並び
ジャンプを減らして答えを見てみましょう。1回減るごとに答えは2ずつ大きくなります。「−1回のジャンプ」が何かはジャンプからはわかりませんが、数の並びが教えてくれます。同じように続ければ(−1) × (−2) = 2、最後は(−3) × (−2) = 6です。
前に進む車
車が毎秒2メートルで前に進んでいます。1秒ごとに2メートルのジャンプです。3秒後には、いまの場所より3 × 2 = 6メートル前にいます。3秒前、つまり時刻−3には(−3) × 2 = −6、6メートル後ろにいました。
バックする車
今度は車が毎秒−2メートルでバックしています。3秒後には3 × (−2) = −6、6メートル後ろにいます。でも3秒前には6メートル前にいたはずです。計算を合わせるには、(−3) × (−2)は6でなければなりません。
自分で確かめてみましょう
後ろ向きに歩く自分をスマホで撮って、動画を逆再生してみましょう。動画の中の自分は前に歩いています。後ろ向きに歩くのは負の速さ、逆再生は負の時間で、2つ合わせると前向きの動きになります。
かっこをはずす
学校で習う分配法則です。(3 + 4) × 2 = 3 × 2 + 4 × 2。数直線で見ると、2ずつ7回のジャンプは、3回跳んでからさらに4回跳んだのと同じ場所に着きます。式の変形のほとんどがこれに頼っているので、負の数でも成り立ってほしいのです。
もし−6だったら
(3 + (−3)) × (−2)では、かっこの中が0なので答えは0です。かっこをはずすと3 × (−2) + (−3) × (−2) = −6 + (−3) × (−2)。これが0になるのは(−3) × (−2) = 6のときだけです。−6だと、同じ式が0にも−12にもなってしまいます。
では、マイナス×マイナスがプラスになるのはなぜ?
ほかの答えにすると、正の数でうまくいく計算がこわれてしまうからです。倍数の並びはとぎれ、バックする車はちがう場所に行き、かっこをはずせなくなります。マイナス×マイナスがプラスなのは、どんな数にも同じルールが使えるようにするためです。