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宇宙飛行士が浮かぶのはなぜ?

宇宙飛行士が浮かぶのはなぜ?

国際宇宙ステーション(ISS)では、宇宙飛行士がふわふわと浮かんでいます。そこではもう地球の重力がはたらいていないからでしょうか?

重力はある

ISSは地上約400kmの高さを飛んでいます。地球の大きさにくらべれば、ほんの少しの高さです。縮尺どおりに描けば、軌道は地表のすぐ上の細い輪になります。そこでの重力は地上とほとんど同じ、約90%の強さです。

そもそも重さとは?

重力は体を下へ引っぱり、足もとの体重計は体を上へ押し返します。この押し返す力が、体で感じる重さです。体重計がはかっているのも、じつはこの力です。何も押し返してこなければ、重力に引かれていても重さは感じません。これが無重量状態です。

体重計もいっしょに落ちる

エレベーターの中で体重計に乗っていて、ケーブルが切れたと想像してみてください。エレベーターも体重計も自分も同じ速さで落ちるので、体重計をまったく押さず、表示は0になります。重力はいつもどおり引っぱっているのに、無重量状態になるのです。

ニュートンの大砲

アイザック・ニュートンは、高い山の上に置いた大砲を思いえがきました。ゆっくり飛ぶ弾は山の近くに落ち、速い弾はもっと遠くに落ちます。でも十分に速く撃ち出すと、弾は地球に向かって落ち続けるのに、地面のほうも同じだけ下へ遠ざかっていくので、いつまでも地面に届きません。地球のまわりを回り続けるのです。

人間大砲

では、大砲で人を体重計ごと撃ち出したらどうなるでしょう? 発射されると、人と体重計は同じ速さで飛び、地球を一周するあいだずっといっしょに落ちていきます。体重計を押すものは何もないので、表示は0kg。落ちるエレベーターとまったく同じです。

ISSは落ち続けている

ISSは、ニュートンの大砲の弾とまったく同じです。時速約28,000kmで飛んでいるので、地球に向かって落ち続けながら、地面にはぶつからずに進み続けます。地球を一周するのに約90分。宇宙飛行士もいっしょに落ちていて、押し返すものがないので浮かぶのです。

月はどうなの?

月も同じように地球のまわりを落ち続けています。ただ、ずっと遠くにあるので、1周に約27日かかります。もし月をいっしょに回る巨大な体重計に乗せたら、体重計も月といっしょに落ちて、0kgを示すでしょう。

では、宇宙飛行士が浮かぶのはなぜ?

地球のまわりを、ずっと落ち続けているからです。もし重力がなかったら、ステーションは地球のまわりを回らず、まっすぐ宇宙のかなたへ飛んでいってしまいます。