パーセクとは?
パーセクとは?
天文学者は星までの距離をパーセクではかります。SFに出てきそうな響きですが、実はそのSFで有名な勘違いがありました。
12パーセク以下で
映画『スター・ウォーズ』で、ハン・ソロは自分の船がケッセル・ランを「12パーセク以下で飛んだ」と自慢します。すごい記録のように聞こえますが、「東京から静岡まで200km以下で着いた」と自慢するようなものです。
この点は長年、ファンからルーカスへのツッコミの的でした。それを救ったのが2018年の映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』です。ハンは危険な近道を飛んだので、本当に短いルートを自慢していたのです。
やってみましょう
腕をのばして親指を立て、右目と左目で交互に見てください。遠くの景色を背に、親指がぴょんぴょん跳ねて見えます。顔に近づけると、跳ね方が大きくなります。このずれを視差といいます。
星の視差
星でも同じです。ただし目のかわりに、公転軌道の両端にいる地球を使います。半年で地球は3億kmも移動し、近くの星は遠くの星を背景にほんの少しずれて見えます。近い星ほど、大きくずれます。
なぜ誰も気づかなかった?
このずれはあまりに小さく、天文学者は2000年以上も探しては見つけられずにいました。初めて測ったのは1838年、フリードリヒ・ベッセルです。はくちょう座61番星の年周視差(ずれの半分)は、1秒角の3分の1弱でした。
ティコ・ブラーエはずれを見つけられず、地球は動いていないと結論づけました。星がどれほど遠いか、思いもよらなかったのです。
1秒角はどれくらい小さい?
1度は60分角、1分角は60秒角に分けられます。緯度と同じしくみです。つまり1秒角は1度の3,600分の1。約4km先の1円玉が、ちょうどこの角度に見えます。
パーセクの由来
天文学者はずれの半分だけを使います。星から見て、地球と太陽の距離がどれだけの角度に見えるか、です。それがちょうど1秒角なら、星までの距離は1パーセク。名前は視差(パララックス)+秒(セカンド)から来ています。
何kmになる?
1パーセクは約31兆km、つまり3.26光年です。いちばん近い恒星プロキシマ・ケンタウリでさえ、1パーセクより遠い1.3パーセク。だから視差は0.77秒角しかありません。
なぜパーセクを使うの?
星までの距離は、まさにこの方法で求めるからです。角度や視差をはかるのが天文学者の日々の仕事。秒角で表した角度がわかれば、パーセクでの距離はすぐ出ます。1をその角度で割るだけ。0.5秒角なら2パーセクです。
では、パーセクとは?
地球と太陽がわずか1秒角離れて見える距離。約3.26光年です。そしてハン・ソロがはかったのは、時間ではなくルートの長さでした。
人工衛星ガイアは、この方法で約15億個の星までの距離を測りました。明るい星なら、500km先から人の髪の毛の太さを見分けるほどの小さなずれもとらえます。