光の速さはどうやって測ったの?
光の速さは無限大?
明かりをつけると、部屋全体が一瞬で明るくなります。長いあいだ、光はどこにも移動せず、ただ同時にどこにでもあるものだと考えられていました。光が本当に進んでいるのか、どうやって測ればよいのでしょう?
ランタンの実験
ガリレオはランタンで試しました。1kmほど離れた丘に2人が立ち、1人がランタンの覆いを外します。もう1人はその光が見えたらすぐ、自分のランタンの覆いを外します。でも測れたのは人が反応するのにかかる時間だけでした。光はその往復2kmを、わずか100万分の7秒で進んでしまうからです。
空にある時計
長い距離と時計は、空で見つかりました。木星の衛星イオは42.5時間ごとに木星のまわりを1周し、そのたびにしばらく木星の影に隠れます。この食は規則正しく起こり、前もって予測できます。
時計が遅れる
1676年、デンマークの天文学者オーレ・レーマーは、イオの食がいつも予定どおりには起こらないことに気づきました。地球が木星にいちばん近いときは予測どおりですが、地球が遠ざかるにつれて、どんどん遅れていきます。地球の軌道の反対側では、遅れはおよそ17分になります。
光は地球の軌道を横切る
レーマーはその理由に気づきました。光がイオから私たちに届くまでには時間がかかるのです。軌道の反対側では、さらに軌道の直径ぶん、およそ3億kmを余分に進まなければなりません。レーマーはそれに22分かかると見積もりましたが、今では約17分、つまりおよそ1,000秒だとわかっています。ですから光は1秒間におよそ30万km進むのです。
歯車
地上で初めて光の速さを測ったのは、1849年のイポリット・フィゾーです。ランプの光を歯車の歯のすき間に通し、8.6km先の鏡まで送りました。鏡が光をはね返し、光は同じすき間を通って目に戻ってきます。でも、これでどうやって光の速さがわかるのでしょう?
歯車を回すと
次にフィゾーは歯車を回しました。ゆっくり回しているうちは、光が戻るまでに歯車は少ししか動かず、光は同じすき間を通って戻ってきます。回転を速めると、戻ってくる光はしだいに歯のふちに当たるようになり、暗くなっていきました。1秒間に12回半まわしたところで、光は完全に消えました。そのあいだに歯車がちょうど歯1つぶん進み、光がすき間ではなく歯に当たったのです。歯1つぶん進むのにかかる時間は1万8000分の1秒。そのあいだに光は往復17kmを進んだので、光の速さは1秒間におよそ31万kmになります。
自分で確かめてみましょう
マイクロ波も、目に見えないだけで光の仲間です。電子レンジのターンテーブルを外し、板チョコを20秒温めてみましょう。マイクロ波は庫内の壁ではね返り、ちょうど半波長おきの場所をいちばん強く温めます。チョコは約6cmおきに溶けるので、波長は12cmです。波の速さは「波長×1秒間の振動数」で、振動数はレンジのラベルにある2,450MHz、つまり24億5000万です。12cm×24億5000万で、およそ秒速30万kmです。
今はどうなっているの?
1970年代には、光の速さはチョコと同じ「波長×振動数」の式を使って、レーザーで測られました。結果は秒速2億9979万2458m。1983年からはこの値に固定され、1mの長さもこの値をもとに決められています。ですから今では、光の速さを測るのではなく、光の速さを使って測っています。宇宙飛行士が月に置いてきた鏡にレーザーを当てると、往復に2.5秒かかります。そこから、月までの距離がcm単位でわかるのです。
つまり、どうやって測ったの?
光はとても速いので、測るにはとてつもなく長い距離か、とても正確な時計が必要です。レーマーは地球の軌道を使い、イオの食を時計にしました。フィゾーは17kmの距離を使い、速く回る歯車を時計にしました。どちらの方法でも、光はものすごく速いけれど、その速さは無限ではないことがわかったのです。